持ち寄り食会に強い関心を持っていた小林健司は所属する生命体的集団「フェンスワークス」(大阪市)の小林直子とともに、大阪での開催を提案。2015年4月1日にフェンスワークスのスタジオCAVEにて実施される。
購入場所はイオン大阪ドームシティ店とスーパー玉出九条店。参加者は大谷、小林健司、小林直子、高向、田中聡、橋本仁美、山根、山本明日香の8人。初めての参加者が多かったため、開始前に参加者が一度会場に集い、簡単な説明が行われてから購買へと向かう方式が採用された。この事前説明により初心者への対応が可能となり、参加者拡大による大規模食会への対応が整ったと言える。予算は1,500円、購買時間は60分。会場調理装備はナイフ、包丁、お湯。
各参加者の品目は保存されていた当日レシートから判明した。
■小林直子
カマンベールチーズ
ぶりづくし
イタリア産生ハム
飲む果実ブルーベリー
■小林健司
三元麦豚ロースカツ
北海道コロッケ
小袋ソース
筍ご飯
ビッグチョコ
ペールエール(ビール)
元禄生貯蔵酒
■橋本仁美
三元麦豚ロースカツ
特選ヒレカツ
キャベツミックス
ピザ
■山根澪
セロリ
パプリカ
マヨネーズ
ワイルドターキーフラスクボトル
■山本明日香
桜鳥つくねの照り焼き
手巻き寿司ねぎとろ
カルパス
30品目サラダ
ブルガー白ビール
ガーリックフィセル
■田中聡
錦屋牛タンシチュー(レトルト)
サンゴショウホタテカレー(レトルト)
■高向伴博
ドール スウィーティーオパ
トリス エクストラボトル(ウィスキー)
焼き鳥(1本)
柿の葉すし
ピリ辛きゅうり
煮魚
炭酸水レモン
ドリトス
QBBマスタードベビーチーズ
■大谷隆
氷
ペリエ
ビフィーターポケット(ジン)
カップうどん
そら豆
レモン
スパムシングル
本会について山本明日香は、下記の通り報告し、当日の熱気を伝えている。
この日のオモシロ持ち寄りは、(田中)聡くんが1500円でレトルト2食という大勝負に出て(しかも美味しかった)、食会後の振り返りにて今回の勝者ではないかと噂される。また、(橋本)仁美ちゃんと(小林)けんちゃんでまさかのカツ被り(全く同じお店の同じ商品を買っていた!)が起こる。仁美ちゃんは特大カツを2つ(ヒレとロース)とおばちゃんに進められた千切りキャベツを持ち寄り、けんちゃんはカツ(ロースだったっけ?)1枚。しかし、けんちゃんは25円のソースをしっかり買っていたため、ソースもドレッシングもなかった仁美ちゃんに勝利。ソースがある分皆から「美味しそう」「こっちが食べたい」などの声を獲得する。けんちゃんはこの日50円のビッグチョコも買っていて、他にデザートを買っている人が居なかったため重宝される。今回は十円単位の持ち寄りが光っていたため、「小物タイプ」の持ち寄ラー※と認定される。
持ち寄ラーには都市型、地方型(だっけ?仁美ちゃんは)などの型があることが判明。今後も様々なタイプの持ち寄ラーの研究や統計を、高向さんが任される。
※持ち寄りをする人のことを「持ち寄ラー」と言う。
山本は、報告とともに持ち寄り食会の潜在的な力を宇宙の開闢にたとえたバナーを残している。
山本の報告でも「大勝負」「勝者」「勝利」と言った言葉が多用されており、持ち寄り食会が厳しく勝敗を問われる場であることがわかる。ただし、その勝敗は「食会後の振り返りにて今回の勝者ではないかと噂される(山本)」とあるように、規則的、確定的なものではなく、またその判断を第三者が審判として判断するものでもない。その場に居た者が自らのうちに沸き起こる「敗者感」を共有することで穏やかに決定づけられているため、「粋」「無粋」などの観念と似ているとも言える。
また、前回、前々回と参加していたが、今回は不参加であった鈴木は次の報告から、参加していなかったとしても持ち寄り食会を楽しむことができる可能性にも言及している。
後日、まるネコ堂にて小林・大谷・山根・鈴木が集う。鈴木は食会inCAVEに参加できず様子が気になっていたため、感想を聞く。最初のうちは「円坐で起こったことを尋ねるような感じ」で野暮かもなあと思っていたのだが、話を聞くうちに様子が変わってくる。1人1人の手と、それが周りからどう見えていたかを聞いているうちに「その人の輪郭」がくっきりと見えてくる。つい勧められたので買ってしまった、買う時から出し方をイメージしてしていた、渾身の一手を最初に出さなかったので負けた気分になった…。ひととおり鈴木が一人一人の手を聞き、最後に聞いたのはけんちゃんの手。「おれ、普通すぎて聞かれるの嫌だった」というけんちゃん。話を聞くと、けんちゃんの「普通」の凄さが際立ってくる。とんかつ店のおばちゃんの声とか、良い手を出してやろうという欲とか、演出しようとする準備とか、そういうものと違うところから繰り出され、浮かび上がって来るけんちゃんの「普通」。「そういえば普段でもそういう風に思うこと、あるわあ」とけんちゃんがこぼした時間は、とても贅沢だった。食会は、その場に居なかったなりの楽しみ方もあるという発見。
こういった報告が掲載されたのはいずれも小林健司が作成したクローズドなfacebookページ上であるが、このfacebookページの意図を小林健司は次のように述べている。
「持ち寄り食会」オフィシャルサイト、および公式ファンページを作成するための、設立準備委員会です。持ち寄り食会のすばらしさ、奥深さを、もっともらしく表現していくことが最大の目的です。小林が勝手に作りました。勝手に投稿して溜まっていったら、ぼくが面白いなーと思ってます。
このfacebookページが本サイトの原型となり、2015年7月19日にサイトが公開された。
文責:大谷隆